書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

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新書書皮

 ブックカバーが好きです。こことかこことかにも書いていますが、無駄に沢山揃えて、並行して読んでいる本全部にブックカバー掛けています。汚れるのが厭とかではなく、好きな柄のカバーを掛けているとテンション上がるからです。勿論本が汚れないならそれに越したことはないですが、ブックカバーが汚れるのも厭です。

 で、文庫本用のブックカバーはぎょうさん持っていますが、新書用のブックカバーは持っていません。いや、正確には一つだけ持っていまして、それは講談社ブルーバックスの裏見返しの隅を 10 枚切り取って講談社に送ったら貰える、謂わばファン向けコレクターズアイテムなのです。どうだ羨ましいだろう。んでその新書用ブックカバーは旦那に何だったか新書を貸す時に付けて渡してそれきり旦那本棚に格納されっぱなしと推察され、わたしの手元にありません。しかし今新書用ブックカバーが欲しいのです、堀江敏幸先生の「郊外へ」(白水 U ブックス)読むから。

 文房具屋には文庫本カバーは売っていても新書用カバーは意外にありません。そして購入するなら気に入りのデザインでないと厭だなあと二週間ほどもやもやしていましたが、ブックカバーがないなら作ればいいじゃない、ってことで作ってみました余り布で。

布を準備

 先ずは布を準備。家の中に転がっていた布を適当に準備しました。因みにストライプは中学の家庭科でパジャマ作ったときの余り布、水色は同じくエプロン作ったときの余り布です。物持ち良すぎる。

数時間後、完成

 数時間後、出来ました。外布にちゃんと接着芯を貼って、ストライプを敢えて裏地に持って来るチラ見せがお洒落。スピン(紐栞)必須なのですが、リボン箱に残念ながら赤いシルクリボンしかなかったので、まあこれもアクセントだよな、とスピンは赤色です。ビビッド(←自分を励ましている)。ちゃんと本の厚さに応じた調節が出来る機構になっているのが個人的に自慢ポイント。

 作るときのコツはと言えば、わたしは超適当人間で型紙もなんも作らず手持ちの新書に合わせて目分量で布の大きさを決めたのですが、切る時は一発勝負なので物差し使って二枚の布を同じ大きさに切断しました。

 あとは、ちゃんと丁寧にアイロン掛けてからミシン掛けすることを自分に課しました。アイロンでの折目さえきちんと付いてれば、待ち針打たなくても結構ずれずに縫えます。とは言え誤算だったのが(いや、本当はちゃんと予測してたけど)二枚の布の厚みが違っているのでミシンの布送りで裏表の布に微妙なずれが発生し、角の辺りを縫う時に布の引き攣れを誤魔化すのに苦労しました。

本に着せてみた

 本に着せたところ。なかなかいい塩梅で気に入りました。

 って、時間気にせずやっていたら、完成が午前二時半でした。明日会社休みだからって何やってんだよーわたし。

| 文学賞関連 | 03:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
星落秋風

 相変わらずタイトルに意味はありません。

 北村薫さん、直木賞受賞おめでとうございます! 六度目の正直ですね。ってか選考委員も山本周五郎賞の選考委員まで務めている大御所を今まで良く落とし続けて来たなあってのが正直なところですが。

 しかも、選考委員の一人、浅田次郎氏は同じ山本賞の選考委員だし。ある時は並んで新人の小説選考をし、ある時は選考する者とされる者に分かれ……って嫌だっただろうなあ、お互いに(勝手な想像)。

 何はともあれ、良かった良かった。メッタ斬りコンビの予想も今回は大当たりですね

◆欲しい本
・「もののはずみ」堀江敏幸/角川文庫
・「風が強く吹いている」三浦しをん/新潮文庫

| 文学賞関連 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
2008年ベスト本

 と云う事で年の瀬も押し迫ってまいりましたがまだ年賀状出していませんどうしよう。お前休暇中だろと言われると本当にその通りですごめんなさいっつってコメツキバッタのよにぴょこんぴょこん謝るばかりです。「相棒」のビデオ見る暇はありますが年賀状を書く暇はありませんってそれどう云うことだ仕事だったら言い訳になんねーぞコラと自分で書いて自分を追い詰めています。

 さて 2008 年の良かった本ベストテンを書こうと思いましたが、うわー、産休前は全然記事を上げてないなあ。もっと本読んでいたと思うんだけど(左枠・アーカイブの投稿記事数参照)。しかも今 2008 年分のエントリーを読み返してみたら、ベストテンとかって華々しくランキング出来るほど拮抗したラインナップじゃないなあ、うーん。しかも「これ、上位に行くなあ」と思っていた本が大体 2007 年に読んだ本で、自分の記憶の曖昧さに驚いています。……ええと、五冊でやってみます。

○表ランキング○
・5 位 「まんが物理に強くなる」関口知彦/講談社ブルーバックス
・4 位 「極楽・大祭・皇帝」笙野頼子/講談社文芸文庫
・3 位 「風花」川上弘美/集英社
・2 位 「源氏物語 第一巻」大塚ひかり/ちくま文庫
・1 位 「いつか王子駅で」堀江敏幸/新潮文庫

 結局、堀江さんです。これに裏ランキングと云うのもありまして、読みかけ分と再読分を入れるともっと混沌とします。

●裏ランキング●
・10 位 「monkey business vol.1 野球号」柴田元幸 編 *雑誌*
・9 位 「雁」森鴎外/岩波文庫 *読みかけ*
・8 位 「イラクサ」アリス・マンロー/新潮社クレストブックス *読みかけ*
・7 位 「母の発達」笙野頼子/河出文庫 *再読*
・6 位 「外科室・海上発電」泉鏡花/岩波文庫 *読みかけ*
・5 位 「伊豆の踊り子・温泉宿」川端康成/岩波文庫 *読みかけ*
・4 位 「見知らぬ場所」ジュンパ・ラヒリ/新潮社クレストブックス *読みかけ*
・3 位 「文士の意地・上」車谷長吉 編/作品社
・2 位 「源氏物語 第二巻」大塚ひかり/ちくま文庫 *読みかけ*
・1 位 「雪沼とその周辺」堀江敏幸/新潮社 *再読*

 結局、堀江さんです。何度読んでもいいのよ〜。

| 文学賞関連 | 11:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
文芸同人

 今月の文芸四誌の新聞広告を見て、「掲載小説は群像が面白そうだけど、買うなら文学界かな〜」と思っていたのですが、それは何故かと言うと文芸同人誌についての記事があったからです。

岐路に立つ「同人誌」 「文学界」で「評」打ち切りに(asahi.com)

 同人誌と書くと、所謂同人誌即売会(コミケ/コミックマーケットと云うのはコミックマーケット準備会が主催するイベントに限られるので、オタク的にはちゃんと区別して表記。オタク性を露呈するだけですが)で売られている自費出版の漫画や小説を想起する人が多いですがそちらの同人誌ではなく、白樺やホトトギスなどの、小説鍛錬場としての同人誌のお話です。

 文芸同人誌は購入したことも参加したこともないのでそれがどういったものか経験で語ることは出来ないのですが、やはり小説(に限らず、自身の想像力が試される作品)は他人から批評してしてもらって更に上手になるものだと思います。ですので、出版社公募の賞にいきなり小説を送りつける前にそう云う文芸同人誌で小説の技巧を磨くという経験を積んだ人は、良い作品を長く書き続けることが出来るように思います。何と言うか、書く訓練が出来ると言うか、その為の筋肉を付けると言うか。

 そう云った場である同人誌が少なくなり、また公の文芸誌での評も打ち切られると云うのは、そこに触れたことがない身でありながらなんとなく物悲しい気持ちになるのです。

 現在は猫も杓子も自分の特別性を信じて、公募小説への応募数は増えていると聞きます。中には読むに堪えないものが多いとも。厚顔無恥と云う言葉が脳裏をかすめます(まー自分が書けるかっちゅーと書けんけどね)。いきなり書く人の中には山田詠美氏のように才能があり、文芸誌など読まずに即小説家として出発出来る人もいるとは思いますが、良書を読まずに小説書いて「これがおれの小説! 読んで読んで」と独りよがりに言うのは好きではありません(まーそういう一次審査で落ちるような作品を読んだこともないけどね。唯一、小説家志望の友人の書いた作品を読んだことあるけれど、それはひどいもんだったよ)。

 ぜんたい、性急に結果を求める世の中になってきている気がします。

 文芸同人誌での鍛練が必須の過程かと云うとそうではありませんが、段階を踏んで書く人がいること、そしてそういった場を守ることも難しくなっているんだなあと寂しい秋の記事です。

| 文学賞関連 | 11:20 | comments(5) | trackbacks(0) |
天下無双
 雑誌の広告で「堀江、村上、次は?」と云う見出しがあり、堀江敏幸、村上春樹の次とは一体何の文学賞だ、と思って良く見たら、続けて「リーマン」と書いてあり、経済の話だと分かりました。何だよ紛らわしいなあ(こっちの思考の方が特殊)。

 ところで村上春樹はノーベル文学賞を受賞するでしょうか? 物理学賞、化学賞で四人の日本人が受賞した事を考えますと(帰化して日本国籍でない方もおられますが)、或いは受賞するかも知れないと考えております。

―――――――

(追記)
 授賞はありませんでしたな。

ノーベル文学賞に仏のル・クレジオさん

 名前が覚えられず、つい、有名お鍋メーカーを思い出して仕舞います。
| 文学賞関連 | 18:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
本屋大賞
 本屋大賞に附いて何か書いておきましょうかね。ええっと、予想通りでした。読んでもいませんが、「ベルカ、吠えないのか」(古川日出男)か「告白」(町田康)に受賞して欲しかったです。

 「東京タワー オカンとぼくと(後略)」も読んでいないので何とも言えませんし受賞に異議を唱えるでもありませんが、元々本屋大賞は、いい本なのになかなか売れないものを読者に知って貰おうとする書店員の投票で決まるものであったと記憶しておりまして、だもんで既に売れている「東京タワー」をこれ以上売ってどうするのかって思いもあります個人的ですが。ま、ノミネート作は一冊しか読んでいない(「死神の精度」伊坂幸太郎)ので、単なる戯言です。
| 文学賞関連 | 23:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
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