書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

「増補 文学テキスト入門」前田愛

●本日の読書
・「増補 文学テキスト入門」前田愛/ちくま文庫


 著者が男性と云うことで吃驚、最後まで読んだら著者急逝により未完と云うことで二度吃驚。

 にしきさんからお借りしました。難しかったー。学術的な文学論は初めてでしたので、物語の構造を体系的にまとめたこの本は、入門と銘打ってはいますがある程度テキストの構造論に慣れていないと辛く感じると思います。他のアカデミック文学論と比較は出来ないのですが、国内外の小説論に広く触れてまとめてあるので、その筋の方には分かりよい著作であると感じました。

 中で最も面白かったのは、尾崎紅葉の「三人妻」の物語の構造がシンメトリー(対称)であることを解説してある部分でした。そして三人の妻を手に入れていく困難さと物語の盛り上がりをグラフに直してあると、確かに対称な二次曲線になり……という下りが最も面白かったです。物語をそういった視点で読んだことがなかったので、こういうことを研究している学者の方々がおられるというだけでも非常に面白いです。うん、勉強になりました。

 途中、積読の森鴎外「雁」の筋書きに触れている部分がありそこは薄眼で読み飛ばしました。次の読書は鴎外の「雁」にします。ブックカバーも掛けたよ。

| 国内ま行(その他) | 14:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
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