書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

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「汝ふたたび故郷へ帰れず」飯嶋和一
●本日の読書
・「汝ふたたび故郷へ帰れず」飯嶋和一/小学館文庫 ISBN:4-09-403312-2


 文藝賞受賞の表題作、群像新人賞受賞の「プロミスト・ランド」、中篇「スピリチュアル・ペイン」収録。これが千円以下の文庫で読めるなんてものすっごい倖せな事だと思うぞ。

 表題作はボクサーの話、「プロミスト・ランド」はマタギの話、「スピリチュアル・ペイン」は馬の話、って敢えて内容に言及せずに語ってみました。だってこの人の文章が凄く良いので、あたしが下手な先入観を与えたくないし。嗚呼美しくて仕様がねぇ、もうこれは快感。

 基本的にはどの話も「弱者から強者への対抗」でそこにぐっと来るのですが(「スピリチュアル・ペイン」だけは少し趣が違うか)、別に勧善懲悪でもないし、相手方も人間臭い。時には対抗したってどう仕様もない事もあるってのを真正面から書く。痺れる。一番興奮し、涙し、心に残ったのは「汝ふたたび故郷へ帰れず」ですが、多分「スピリチュアル・ペイン」の様な、日常に隠れた自力ではどうする事も出来ない弱さを描いた文章の方がこの人はいいと思います。

 TBした芝田さんみたく電車こそ乗り越さなかったけれど、電車待ちの時間に読んでいたら、このままもう三十分電車が来なくてもいいなぁと思いました。ずっとずっと読み続けて、終わらなくてもいいくらいの。

 いいから読め。飯嶋和一すげぇぞ。一番の問題は何処の本屋にも置いてないって事だ。
| 国内あ行(飯嶋 和一) | 20:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
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