書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

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「イノセント・ゲリラの祝祭」海堂尊

●本日の読書
・「イノセント・ゲリラの祝祭(上)(下)」海堂尊/宝島社文庫


 海堂尊週間ですな。だって読みやすいんだもん。一冊三時間くらい、二冊で二日で読めて仕舞うんだもん。サクサク読んでます。

 と云うことで、田口・白鳥コンビの第四弾は厚生労働省が相手です。著者の、小説でない新書「死因不明社会」で言及されているらしい、日本の死因究明がなされない体勢の悪さや、死体の解剖率の低さに問題提起する作品です。厚生労働省のはみ出し官僚、白鳥圭輔の招致により、医療事故死なんちゃら検討会のメンバーに加わることになってしまった田口医師。ミスター厚労省と言われる八神の官僚主体の対応をすりぬけて、エーアイ(オートプシー・イメージング。画像診断)による死因の判定を現場に導入出来るかどうか、と云うお話です。出来れば「チーム・バチスタの栄光」を読んでからの方が良いです。その他の海堂作品はどこから読んでも大体大丈夫ですが、この作品は「チーム・バチスタ」での事件のその後であると云うことが重要ですから。

 今までの、小説内での丁々発止のやり取りは病院内の委員会などが舞台でしたが、今作は厚労省ですので、相手は弁が立つ上に法制についての知識も豊富、他の検討会メンバーには法医学者や法律家も含まれている為に、医療現場の声を届けにくいというおまけつきです。田口先生の困難度アップ。そこにジョーカーのように登場するのが、奇妙な医師・彦根。学生時代の知り合いで、過去に色々やっちゃっている様子です(文中で語られている彦根の起こした事件は、別の作品になっているのかどうか、今のわたしには分かりません。なってたら読んでみたい)。

 敵は強大ですが、田口の「のめり込み過ぎないながらも、常人として正義感が強い」性質が良い方向に作用します。個性の強い登場人物たちの中で、主人公の田口医師は明らかにキャラ薄ですが、それが彼を通して世界を見ている読者の気持ちを、彼に同調しやすくしているのだと思います。平凡な性格だから、万人が入り込みやすいんですね、我思うに。

 さて、八神を倒して医療改革はなされるのかどうか。現実社会でも同じ問題が討議されているようですが、現実の方もどうにかして頂きたいものです、是非。

| 国内か行(海堂 尊) | 14:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
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