書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

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「ジーン・ワルツ」海堂尊
評価:
海堂 尊
新潮社
コメント:出産は安全ではない。代理母問題なども絡めた、今度の舞台は産婦人科。

 ふと思い立って、サイドバー(←)の並び順、変えてみました。ぽつぽつとしか更新しないので、カレンダーとか要らないし。著者ごとのインデックスさえあればそれでいいし(自分がほかの書評サイトみるとき基準)。

●本日の読書

・「ジーン・ワルツ」海堂尊/新潮文庫

 海堂尊週間継続中。だって読みやすいんだもん。サクサク読んでます(コピペ)。

 今作の問題提起は産婦人科と代理母問題について。海堂作品で二番目に面白かったです(一番は「チーム・バチスタ」)。それは恐らく、わたしが経産婦であること、出産して日が浅いこと(産後三か月)が大きいと思います。ま、そゆ時期に読んで良かったな、と思います。

 舞台は東京、天下の帝華大です。バチスタ・シリーズはずっと首都近郊の地方都市である桜宮市が舞台だったので、首都がメインの舞台と云うのは初めてですね。ここから医療の現状を描く訳です。帝華大で発生学を受け持つ曽根崎理恵は「クール・ウイッチ」とあだ名されるやり手の女性助教(昔で言う講師)。体外受精のエキスパートです。大学勤務の傍らで、マリアクリニックと云う産婦人科で検診も行い、出産に携わっています。マリアクリニックはとある問題で閉院を間近に控えており(その問題は「極北クレーマー」にて。未読←文庫落ち待ち)、現在診療中の五人の妊婦が最後の患者です。

 物語では、理恵とその上司である清川吾朗准教授との関わりを軸に、産婦人科の医師不足、出産の困難さ、体外受精にトライする夫婦の苦しみ、代理母問題などを絡めて「産む困難/産まれる奇跡」が描かれます。わたしは幸い子供三人とも通常分娩で五体満足に産まれ育っていますが、これは大変なことなのです。いいですか、出産は安全ではありません。無事に産まれて当たり前、ではありません。無事に産まれて当たり前、ではありません。大切なことだから、二回言いました。子供が健康であるということ、母が出産を無事終えられること、これはぎりぎりの綱渡りで達成される奇跡的なことなのです、本当に。

 代理母問題の倫理的な云々はわたし自身結論を持っていないので(敢えて考えないようにしている)ここでどうこうは書けませんが、現在の日本の法制度では、代理母により生まれた子供の母は卵子提供者ではなく借り腹として実際に出産した女性なんですね。だもんで産みたくて産めなかった卵子提供者は、その子供を養子として迎えるしか親になる方法がありません。まあ出産した者から言えば、出産は非常に大変な出来事なので、産んだ子供がいなくなる(そう云う約束だとしても)と云うのは断腸の思いですよ。仮に金銭的な見返りがあったとしても納得出来るもんじゃないと思います。だから親族による代理出産が行われているんですが、これについてはこの作品の続編にあたる「マドンナ・ヴェルデ」に詳しいと思います(未読)。

 つい余計なことまで書きました。出産っつーとつい熱くなって仕舞います。曽根崎理恵のしたたかさがとても良いです。こうまで切り札が当たり続ける結末は予想出来ませんでした。清川先生もジェネラル・ルージュ速水医師と同じくらい恰好良い医者なので(清川と速水の関係は「ひかりの剣」にて)、今後の曽根崎医師との円滑な交流をお祈りいたします。

 にしてもなあ、少子化対策として厚労省が打つ手って、総じて現場を無視した真逆な方策ばっかだよなあ。

| 国内か行(海堂 尊) | 05:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
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