書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

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「ゲド戦記(3) 〜さいはての島へ〜」ル=グゥイン
評価:
アーシュラ・K. ル=グウィン
岩波書店
コメント:世界の揺らぎを感じ、大賢者ゲドと王子アレンは世界を救う旅に出る

●本日の読書
・「ゲド戦記 3 〜さいはての島へ〜」アーシュラ・K・ル=グゥイン/岩波少年文庫


 ゲド老年期にして本編締めの一作。若き王子アレンの要請で、世界全体に起こっている「ゆがみ」の正体を突き止めるべく、再び旅立つゲドと王子の話です。

 老いたゲドはロークの魔法学園で大賢者の座にいます。基本、世界に起こるトラブルを小さいうちに摘み取ることで世界のバランスをとる役目を果たしていると思われるのですが、この物語がアレンの視点で語られているため、冒頭から中盤に至るまで、ゲドの魔法使いらしさやその凄さはなかなか分かりません、アレンにも、読者にも(ただ読者は既刊二冊を読んでいれば、これがゲド流のやり方だと云うことに気づいており、アレンの血気逸る行動を「ふふん」と見ているに違いないのですが)。

 特に当てもなくめくらめっぽう世界を旅する二人は、色々な人に会い、色々な経験をします。この辺りが物語の「承」部分に当たり、著者が世界の文化を再構築してアースシーの世界を詳細に作り上げていることが分かります。

 旅の途上でアレンは心服していたゲドを疑います。あてどもなく航海して、しかも魔法も使わず疲弊、疲労して、世界をおかしくしている原因も杳として知れない。それは大賢者といえども力を失ったのではないかと疑うには十分だったでしょう。その経験とアレンの人間的成長も物語の醍醐味です(暗いのであまりジュブナイルと云う感じは受けませんが)。

 終盤で物語は一気に動きます。全体の物語としては落ち着くのですが、少しだけ物足りなさが残ります。それは回収されていない伏線が気になるのではなく、語られていない物語を読みたい欲です。と云うことで、外伝が読みたいです。
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