書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
「共喰い」田中慎弥
評価:
田中 慎弥
集英社
コメント:親を憎みつつ親に似る自分を見て更に親を憎む、典型的厨二病小説

●本日の読書
・「共喰い」田中慎弥/集英社


 父親を嫌悪しながらも自分の中に父に似た性質を見付けるにつけ、更に父を憎むようになっていく思春期の葛藤を描いた典型的な厨二病小説ですな!

 作品の内容云々よりも、第 146 回下半期芥川賞授賞の時の屈折した受け答えや一度も職に就いたことがないその経歴などで有名になって「不機嫌眼鏡王子」の愛称を得た著者のキャラクターが有名になって仕舞っていますが、内容は上記段落で事足りるかと思います(自分の中では)。うー、授賞会見見たかったなー。丁度海外出張してたんだよなー。

 で済ませるのはあんまりなので。

 性交時に相手に暴力を振るい、愛人の存在も隠さない父親を嫌悪する高校生の遠馬。自分の恋人との性交時に暴力を振るって興奮を得て嫌悪する父親の血を己の中に見ていきり立ち、その憎しみを益々父に向けます。魚屋を営む母親は離婚したが同じ町に住んでおり、鰻釣りの機会を通して交流を続けています。話としては文学で繰り返し語られるテーマですが、いわゆるセックス&バイオレンスが読んでて少々厭な気分になりますな。てかもう遠馬の父親の性格が最悪です。併録の「第三紀層の魚」の方がずっとずっといいです。

 もう一度言います。併録の「第三紀層の魚」の方がずっとずっといいです。重要だから二度言いました。

 個人的には「第三紀層の魚」の方が、死にかけている曾祖父と魚釣りを通して交流する中学生ということできちんとしてすがすがしい話なので好みです。こっちを先に読んでいたら遡って著作を読みたいと思ったことでしょう(いや、過去に芥川賞にノミネートされながらも落選した「図書実験室」の頃から興味はあったので、文庫が出たら読むと思いますけれどね)。

| 国内た行(その他) | 23:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 23:22 | - | - |









http://38-do.jugem.jp/trackback/498