書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

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「不思議の国のグプタ」ヒロ前田
評価:
ヒロ前田,清涼院流水
アルク
コメント:一風変わったTOEIC対策本

●本日の読書
・「不思議の国のグプタ」ヒロ前田 小説 清涼院流水/アルク [Kindle版]


 一風変わった TOEIC 対策小説本。旦那から7月に一緒に TOEIC 受けようって誘われたんで対策として読みました。カナダの会社に勤めるインド人グプタは、出張の帰りに空港で自分が搭乗する飛行機が遅れることをアナウンスで知る。会社にその旨を電話すると、同僚に「またかい?」と返された。

「また? 初めての筈なのに……」

 以降グプタは自分の身の周りで起こる現象を注意深く観察し始める。飛行機は必ず遅れる。図書館はいつも休館中。会社の近所には頻繁に新しいレストランがオープンする。電話番号には必ず「555」が入っている。そんないくつかの不思議な「法則」に気づいたグプタは、自分の生活するこの世界の不思議を追求し始める。

「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」的ではありますが、さにあらず。これは TOEIC 対策本なのです。グプタのいる世界で起こることは即ち、TOEIC 試験問題文中で頻発する事態なのですね。人生、何事も起こらなければ試験問題は作りにくく、変更やトラブルや異常があるからこそ人はアナウンスや掲示を読み聞きする必要が発生します。

 TOEIC はどの回を受験しても実力が変わっていなければ大体同じスコアになるよう慎重に問題が作られているとのこと。問題のリサイクル(使い回し)も確認されているため、似たような出来事が繰り返される不思議世界が生まれたのです。それをミステリ小説仕立てにする着眼点や良し。次に試験を受けたときに「ふんふん、どうせ飛行機は整備不良で遅れ、お詫びのクーポンが出るんでしょ」と、受験者がニヤリとしちゃう訳ですね。ありがちな状況を知っていることで読解が少し早くなる、かも、知れません……?

 物語中のグプタは徐々にこの不思議世界の核心に迫っていきますが、出だしの謎の多さと、見えない「誰か」に監視されているサスペンス感に対し、クライマックスまでが多少性急で、黒幕との対決は少し呆気ない感じがしました。もう三割くらい話が長く、黒幕にじりじりと迫っていく感があれば更に良かったなー。

 余談ですが Kindle で本文と索引を手軽に行ったり来たり出来るのは便利でした。あと紙の書籍では再販制の壁で書籍は割引されないものですが、Amazon だと定期的にセールやってくれるんで、半額で購入出来たのが良かったです。
| 実用書 | 14:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
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