書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

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「旅行者の朝食」米原万里
評価:
米原 万里
文藝春秋
コメント:「愛は胃袋経由」(ロシアの諺)

●昨日の読書
・「旅行者の朝食」米原万里/文春文庫


 色々な媒体に書かれた「食」に関するエッセイをまとめた一冊。初出が色々な媒体のため一編一編の長さはまちまちで、海外の食事に関することから国内の食事に関すること、友人との思い出から家族との食事に至るまで様々な話を収めてあります。人生で二度だけ出会った至高の美味しさを誇るトルコ蜜飴、釣り上げた魚が三動きで凍る極寒の地で鉋削りにした紙のように薄い魚の刺身、ロシア人なら必ず笑いだす「旅行者の朝食」缶詰、ハイジの飲んだ山羊のお乳……読んでいて食欲をそそられる食べ物から出来れば知らずに過ごしたい食べ物まで、著者のユニークな表現で短かめのエッセイが缶詰にされています。第一章はロシアでのエピソード、第二章は物語の中の食べ物、第三章は日本でのエピソードでまとめられています。

 食は文化と言われます。東欧を中心として海外で過ごした時間の長い著者は日本の文化と海外の文化を、その胃袋でもって比較し興味深い読み物にしてくれました。あああ、トルコ蜜飴食べてみたい。しかもめちゃくちゃ美味しいトルコ蜜飴にってなかなか出会えないらしい。あと「おにぎりは日本のソウルフード」と云う意見は確からしいです。映画「かもめ食堂」でも同じこと言ってました。嗚呼、内容を振り返るだけでお腹減ってきます。

 米原さんについて言えば「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」の方が読み応えも文の魅力も上ですが、家族の思い出と共に独自の食事観を語る第三章は親族総出の気持ちの良い食べっぷりで爽快です。一番印象に残りました。著者は食いしん坊なんですね、だからこんなに食べ物を活写出来るんですね。あと、ロシアの諺「愛は胃袋経由」ってのは正しい。絶対正しい。
| 国内や行(米原 万里) | 02:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
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