書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

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「短歌ください」穂村弘
●本日の読書
・「短歌ください」穂村弘/角川文庫


 雑誌「ダ・ヴィンチ」にて連載されていた短歌の読者投稿ページを 30 回分まとめた一冊。続刊の「短歌ください2」も出ていますね。自分も短歌作りたいわ、コツが知りたいわ、って人向けには枡野浩一「かんたん短歌の作り方」の方が直接的にタメになると思いますが、ちょっと妙な感じのする色んなパターンの短歌を読みたいわ、って向きにはこちらがお勧め。「かんたん短歌」は駄目出しが具体的かつキツめで、人の心に更にフックする歌にするにはどう変えれば良いかを多く解説しているのに対し、「短歌ください」は穂村さんが選んだ短歌が読み手にどう云う感情を起こすかを歌の中の言葉を引いて解説してある感じです。枡野さんは五七五七七の三十一音に厳しく、穂村さんは字余り字足らずにちょっと寛容で掲載前に多少修正も入れています。これ以上は好みなのですが、個人的には枡野さんの解説の方がビシバシしてて好きですね。著者の投稿短歌へのスタンスの違いだと思います。以降は完全に推測ですが「短歌ください」はダ・ヴィンチ連載で「かんたん短歌の作り方」はキューティ・コミック連載。恐らく前者の方が部数が出ていると思います。だもんで「短歌ください」で穂村さんが枡野さん調の厳しさで駄目出ししちゃうと、書かれた方は盛大に凹んじゃうかも知れないから、いいところを取り上げて評価してるんじゃないかなあと勘繰ってみたりしています。……いや、やっぱ単に評者の性格かな。

 穂村さんは何度となく「怖い歌はいい歌です」と書いています。どう云うことかと云うと、歌を見た人がちょっと歪んだ日常を感じたり足元がぐらつくような不安を感じるような言葉の選び方、日常の切り取り方が出来る人の感性が素敵だと云うことです。多くの人が普通にこなしている日常のあれこれの動作・出来事にチューニングが合わない人の作る短歌こそがそう云う怖さや意外性を生み出すことが多い、逆に言えば普通のことを普通じゃない目で見る人が短歌に向いている(とそこまで決め付けた書き方はしてありませんが)と考えておられるようです。まあ短歌に限った話でもなく、創作や芸術全般について言えることでしょうけれどね。

 俵万智さんの解説によると、投稿者の中にはその後短歌の歌壇で活躍する人の名前もちらほら見られる(どの投稿者かは明らかにされていませんが)とのことで、やはり才能は地に埋もれることがないのだなあと思わされましたが、やっぱりわたしに短歌作るのは無理。でも憧れはあるなあ。著者の歌論集である「短歌の友人」(河出文庫)もいずれ読もうっと。
| 国内は行(その他) | 23:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
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