書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

「コトラーのマーケティング・コンセプト」フィリップ・コトラー
評価:
フィリップ・コトラー,恩藏 直人
東洋経済新報社
コメント:コトラー本の中では比較的リーズナブルで分かりやすい

●本日の読書
・「コトラーのマーケティング・コンセプト」フィリップ・コトラー 著 大川修二 訳/東洋経済新報社

 僥倖にも、マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー教授の講演会を聴講できる機会に与りまして、どうせ聴講するなら事前に予習しておこうとの気概で読みました。講演会までに通読出来なかったのですが、前半分だけでも読めてから参加出来て良かったですと云うのが個人的な感想。著者の本を読んでマーケティングについて知ろうと思うなら「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」の方を読むべきだと思いますがその本たっかいし、身近で入手出来たこちらと、あといずれ感想書く予定の「1分間コトラー」で大掴みしたわたしなりの感想をば書かせて頂きます。

  そも、マーケティングとは何ぞや。それは製品の販売とは対極にあるもので、顧客を生み出す技術である。製品があってそれを販売するためにマーケティングを行うのではなく、製品開発の「前に」マーケティングを行って顧客が求めているものを探り出し、そのニーズに適合する製品を開発するのである。企業は単に製品を売ってはならない。経験を売るのだ。

へええええ、そうなんだ。マーケティングって広告とかPRとか販売戦略の仲間の一つだと思ってました。社会人になって何年経つんだって自らにツッコミを入れたいところですが、自分が開発担当だってことに甘んじてあまりその方面の勉強をして来なかったので、今回いい機会でした。本書を読んで色々と誤解していた部分がほどかれ、マーケティングの重要性を認識するに至りましたよ。それと同時に世間での「マーケティング」と云う言葉の扱いや認識間違い、別の意味との混同があまりに多いのが不安になります。そもそも外来語なので都合良く使われて来たと云う背景もありそうですが(あくまで個人的な予想)、すっと入り込む訳語がないのも事実だしなあ。コトラー教授のコンセプトに従えばマーケティングとは「顧客価値創造」と言えるかと思います。マーケティングによって企業は自社の顧客を作り出し、また自社の製品を通じて顧客に価値や経験を提供する、それが健全なる企業活動である、と自分なりに理解しました。違ってたらどうしよ。

  本書はマーケティングに関するキーワードを A to Z で並べ、それぞれについて重視すべきことが解説されています。実在企業の成功例・失敗例をふんだんに交え、またエコノミストや経営者の言説の引用も多くあります。1セグメントが短いので取っ付き易いです。1アルファベット1ワードではなく、例えば「M」であれば「マーケティング」やら「マネジメント」やら「マーケット」やら複数ワードについての解説があります。コンセプトと云いつつ大分長い複数ワードで構成されたタイトルの章もあります。主張は一貫しているので後半では内容がかぶる部分も多くありますが、繰り返し出て来ることはそれだけ重要なんだと思いましょう。業務としてマーケティングに携わらない人も、企業に勤めているのであれば著者の本を一読しておくのは損じゃないと思います。

  肝心の生コトラー教授の講演会ですが、臨場感を大切にしようと同時通訳のイヤフォンを持っていたにも拘らず英語のまま聞いたら三割くらいしか理解出来ませんでした。勿体ないけど、生の言葉の感触を聞きたかったので、まあこれはこれで良しとします。大体本書と同じことを言われていましたよ。

 

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