書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

「珈琲店タレーランの事件簿5」岡崎琢磨

●新年の読書

・「珈琲店タレーランの事件簿5 〜この鴛鴦茶がおいしくなりますように〜」岡崎琢磨/宝島社文庫

 シリーズもいつの間にか第五弾です。気付かぬ内に新刊が出ている。コンスタントで非常に宜しいですね。その調子でビブリア堂も新刊早く出て(著者違う)。四作目が番外編的短編集だったので、話が本道に戻ってきて欲しいとの希望が叶って良かったです。ちゃんとコーヒーの薀蓄あるし。サブタイトルにもなっている鴛鴦茶、飲んでみたいもんです。味の想像が出来ん。

 シリーズの中で一番良かったように思います。何が良かったって、構成。連作短編で章ごとに細かな謎を解きながらも通底する謎があり、それは語り手のアオヤマくんが中学生の頃にコーヒーの道を志すきっかけになった女性にまつわるお話です。全6章立てで、前半は思い出の女性、眞子の身の上に関する謎を探偵役の「純喫茶タレーラン」の童顔美人バリスタ・切間美星が着々と解いていきます。

 後半は眞子が傾倒する源氏物語が事件に絡んできます。大塚ひかり氏の逐語訳を読了した源氏好きのわたくしですからそこは「源氏の謎、どれほどのもんじゃい」と一般の人よりちょっと詳しいのを鼻にかけて読みましたが、源氏でも守備範囲外のことが謎に絡んで来ていたので全然分かりませんでした。

 本文に思わせ振りに差出人不明の手紙が挿入されていたり、ミスリードを誘うような記述があったりと、騙されないよう気を付けて読んでいましたが、切間バリスタと同じ速さで真相にたどり着くことは出来ませんでした、残念。

 正直に言うと、表現のそこかしこに肌に合わないところがあるんですが(分かりやすく言えば地の文がラノベっぽく感じる)、アオヤマくんと切間バリスタの関係も漸進しているようですし、シリーズ完結まで読みまする。

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| 国内あ行(その他) | 16:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
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