書評・三八堂

のんびり不定期に読んだ本の感想を書いていきます

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
「一九八四年(新訳版)」ジョージ・オーウェル
評価:
---
---
コメント:あまりに有名なディストピア小説

●本日の読書
・「一九八四年(新訳版)」ジョージ・オーウェル/ハヤカワepi文庫

 

 やっと読んだよ、かの著名なディストピア小説。村上春樹の「1Q84」はこの話とどういう関係にあるかは後者を読んでいないので分からないけれど、Kindle で安くなっていた時に購入して三年ほど放っておいたのをちまちまと読み進めて、ああ確かにこういう未来に、今わたしたちはいるのかも知れないと皮肉っぽく思った次第です。

 1984年(が遥か未来だった頃に書かれた小説ね)、共産主義を思わせる政府機関で働く主人公の仕事は、日々政府に都合の良いように書き換えられていく「過去の歴史」を正当化するために、その証拠となる出版記事を校閲して、修正不可能なものは永久に破棄するというもの。絶対的正義の存在「ビッグ・ブラザー」が支配する世界は全てが徹底的に管理されており、全国民が死角なくに監視され、反政府的動きの密告を推奨されているという正にディストピア(対義語は言うまでもなくユートピア)。そんな生活に息苦しさを感じる感覚も麻痺した状態の主人公ですが、ある日同じ建物で働く顔見知り程度の若い女性に心惹かれます。しかし戸籍上は結婚している彼が個人的に彼女と連絡を取ることは、この監視社会では不可能。ばれたらいつの間にか存在を跡形もなく消されます。事実、彼の知り合いの中にはいつの間にか姿を見なくなり、そして後には誰もその存在を知らなくなる人が何人もいる状態。知り合いたちがどこへどのように消えたのか、どうなったのかを調べることは即ち自分の身を「消される」危険に直結します。

 その女性、ジュリアとは次第に秘密で連絡を取り合う仲になるのですが、この小説の読みどころは後半です。非情なる非常識な監視社会が成立するその仕組みが明らかにされていきます。最近海外でこの作品が舞台化した折、観客の中で途中気分が悪くなる人が出た、というのも頷ける展開。その衝撃的な結末。うわあそう終わるのか、と。あまり書きすぎるとネタバレになるのでこの辺でやめますが、ちょっと世をシニカルに見たい時に読んでみるといいと思います。あと懺悔しますが、巻末のピンチョンの解説、読み飛ばしましたごめんなさい。

 

JUGEMテーマ:小説全般

| 海外(その他) | 22:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 22:55 | - | - |









http://38-do.jugem.jp/trackback/697